非住宅木造 用途別紹介【事務所】

今回は、「事務所」を木造で建築する場合の主な建築基準法の規定等を抜粋してご紹介します。

 

★「事務所」は、法27条による特殊建築物に該当しません。

従って、大規模建築物の主要構造部に関する法21条の規定 に従い、

高さが13m以下、軒の高さが9m以下および延べ面積が3,000m2以下の場合は

耐火・準耐火建築物以外の建築物で建設できます。

 

★高さが13mまたは軒の高さが9mを超える事務所では耐火建築物とする必要がありますが、

次の(1)または(2)に 示す防火上の技術的基準に適合する木造建築物の場合は、

耐火要件が緩和されます(令129条の2の3) 。

 

(1)時間準耐火構造の木造建築物 階数が3階までの緩和規定に基づき、

要構造部を1時 間の準耐火構造とし、建物の周囲に十分な空地(幅員3m以 上の通路)を設ける。

 

(2)30分相当の加熱に耐える防火措置(燃えしろ設計等) を行った木造建築物

階数が2階までの緩和規定で、次の①~④の基準などに適合する木造建築物。

① 強度や耐久性に関し安全が確認された集成材、製材等の建築物とする。

② 柱および梁について、通常の火災に対して建築物全体が倒壊する恐れのないことを

確かめ (燃えしろ設計)、さらに 継手や仕口は防火上有効に被覆する。

③ 外壁、軒裏の構造を防火構造とし、床の構造は30分の 加熱に耐える防火措置と

したものとする。
④ 各室および各通路の、壁および天井の室内に面する部分の仕上げを

難燃材料以上とする。

なお、延べ面積が1,000m2を超える木造建築物は、

防火壁により1,000m2以内ごとに区画する必要がありますが、

これを準耐火建築物とした場合は、防火壁の設置が緩和されます。

(法26条、令112条)

 

ちょっと難しいですよね。まとめると下の図解のようになります。

★建築基準法以外で注意すべき規定

「消防法 (消防庁管轄) 防火対象物(消令別表第1 十五)

事務所は、消防法施行令別表第1の十五項の防火対象物として指定されています。

消防法施行令では、十五項の防火対象物に対する屋内消火栓設備などの消火設備、

自動火災報知設備などの警報設備、避難設備、消防用水、

および消火活動上必要な施設に関する各設置基準が定められていますので、

それぞれの規定を参照してください。

 

残念ながらここ最近弊社が関わった現場で写真掲載の許可が得られませんでしたので

次回から実例もふまえて紹介していきますね。