最近の建築業界にとって大きなニュースといえば
何を思い浮かべられるでしょうか。
おそらく皆様は声を揃えて、
ウッドショックとお答えされるのではないでしょうか。。。
今、本当に深刻な問題となっています。
影響を受けておられるお客様は多数いらっしゃるかと思います。
今回は、なぜ日本がウッドショックと呼ばれる状況になってしまったのかを
改めて御説明させて頂こうかと思います。
輸入木材の供給異変が顕著に成ったのは昨年末に遡ります。
敏感な方であれば昨秋には既に気づいておられた方もいらっしゃった事かと
思います。
今迄コンスタントに入荷されていた輸入木材量が減少し、
それに伴って価格が日を追う毎に上昇し始めました。
この価格上昇は振れ幅が想像以上であり、
急勾配を描きながらも現在進行形で上昇し続けております。
【参考:樹種ごとの金額の推移グラフ】
さてこのウッドショックには様々な要因が考えられるのですが、
特に影響していると思われる3点をご紹介させて頂きたく思います。
1.米国内の住宅需要の増加
現在のアメリカの住宅着工件数は、
2006年のリーマンショック以来の高水準となっています。
主な原因として
・米国内の歴史的な低水準の住宅ローン金利
・コロナ禍に因り、人口が密集する都心から郊外への転居の増加
・株高などで資産が増幅した富裕層の購買意欲の増進
・日本向け専用工場を持つ米松製材の大手マンケランバーが年初に撤退を表明
(※日本の購買力の低下が象徴される出来事で、高値で購入してくれる
中国や中近東等に販売シフトを変更した)
などが考えらるようです。
現在アメリカの住宅着工数は、昨年に比べ約15%増加している状況です。
2.船便の不足・船賃上昇
現在も世界に影響を与えているコロナ感染症の影響により、
船便を思うように可動させることができず物流が滞っています。
また3月末に発生したスエズ運河の座礁事件も
この混乱に拍車をかける形となりました。
3.中国の木材輸入量の増加
世界的に見て早期にコロナ感染症を抑え込んだ中国は、
自国の経済回復への期待から木材需要が増加しました。
元々中国は、産業用丸太の世界最大の輸入国でもあり、
木材を積んだコンテナが中国に集中し、コンテナ不足も招いているようです。
このような要素が重なり、ウッドショックという過去に類を見ない
木材、特に輸入材の在庫不足を招くこととなりました。
食料自給率同様、我が国の住宅事情が輸入材一辺倒であった実情が
打撃の大きさに拍車を掛けています。
ここに来て国産材へのシフトが声高に叫ばれていますが、
林業保護を始めとした国産材に対する国の失策を取り戻すには、
時間を要する事に成り、一朝一夕では供給体制を整える事は出来ません。
現状輸入材の供給減、及び価格の高騰は止まる所を知りませんが、
それ以上にプレカット工場の生産調整に伴う新築市場への大打撃が
社会問題として顕著になりつつあります。
「家が建てたいのに、建てられない!」
今迄想定すらしていなかった事が起き始めています。
我々ジューテックと致しましては、「ピンチをチャンスに!」
を合言葉にこの様な状況だからこそ皆様にとって御役に立てる存在でありたいと
考えております。
弊社の協力プレカット工場は東北から沖縄迄全国に点在しております。
この繋がりを活かして何らかの御役に立てるのではないかと自負致して
おりますので、何なりと御相談を頂ければ幸いでございます。
【お問い合わせ】
株式会社ジューテック
市場開発部 木構造チーム
TEL :03-5408-5055