2030年 持続可能な森林資源と経済の循環を実現する新たな木造建築市場等の
創出に向けての木材活⽤⼤型建築市場領域ロードマップが林野庁から8月末に
発表されました。
今回はこちらの内容について整理したいと思います。
【2030年の市場として⽬指すべき市場領域の姿】
・⽊材活⽤⼤型建築が適正に社会・市場で評価され、⽊材利⽤がESG投資※1
における評価軸の⼀つとなっているとともに、コスト⾯も含め、建築物の計画
において施主が⽊造化・⽊質化等を選択しやすい環境が整っている。
・木材活⽤⼤型建築を担う事業者や⼈材が⼗分に育成・確保され、
⽊材活⽤⼤型建築等に取り組みやすい環境が整っている。
・特に低層の中⼤規模建築物や中層建築物の分野においては、必要な技術が
⼀定程度整備され、標準的な⼿法等が広まっているとともに中⾼層建築物の
分野では、その建設に必要な技術等が実現しつつある。
・⽊材需要先の⼀つとしての輸出については、輸出先国における
規制・規格、需要者が要求する品質その他の性能に対応した製品・技術が
提供される体制が整えられている。
・林業分野でもICT※2を活用したスマート林業等の導入が進展し、
生産性や安全性が向上するとともに、需要に応じた木材の供給が安定して
行われている。
※1 ESG投資:環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行う投資。ESG
ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れた企業面をもつ。
※2 「Information and Communication Technology」の略、通信技術を活用したコミュニケーション。ICTを活用したシステムやサービスが普及することで、社会インフラとして新たなイノベーションを生むことが期待されている。
【主な課題・取組】
・⽊質耐⽕部材や⽊質の⾼耐⼒・⾼耐久部材などの開発・普及等を⾏う。
また、中⾼層建築物について、安全性を確保しつつ、より容易に設計
できるよう、設計例の作成等を⾏う。あわせて、⽊造建築物の
外⽪耐久性について、中⾼層住宅にも対応した基準の整備に向けた検討を⾏う。
・⽊材活⽤⼤型建築物の設計・施⼯等を担う⼈材が不⾜していることから、
⼈材育成・確保のための取組を⾏う。
・輸出先国における規制・規格、需要者が要求する品質その他の性能に対応が
必要であることから、これらに関する情報収集を⾏い、それに対応した
製品・技術を提供する。
・スマート林業の推進に当たっては、全国的に統⼀した基準に基づき
森林クラウド、ICT⽣産システムの導⼊を促進する。
・林業の⽣産性や安全性等を抜本的に向上させるため、
操作の簡易化や遠隔化、⾃動化等の機能を持った林業機械の開発を⾏う。
・スマート林業等の先進的技術を組み込んだ林業を実践する林業経営者は
限定的で横展開が進んでいないことから、現場実践を強化し、得られた
成果からICT導⼊効果を「⾒える化」するなど、スマート林業技術体系や
利⽤⽅法モデルを林業経営者等に普及展開する。
森林クラウドの詳しい説明はこちらから:http://rashinban-mori.com/pc/about/
これらの目標に対し2030年時点で18年時点の国内市場規模5000億円の倍の1兆円
とすることが『目指すべき姿』と位置付けられました。

今後、中大規模建築の木造木質化やスマート林業の施策は、以下のロードマップ
に沿って進められていきます。
ジューテックとしても⽊材活⽤⼤型建築に対して品質・性能の確かな部材を
安定的に供給できる⽣産・流通体制を整備していくとともに、
⽊材活⽤⼤型建築物での⾼耐⼒・⾼耐久な部材、構法等の新情報、防耐⽕性能
の新情報の発信に努めていきたいと思います。
市場領域ロードマップ【具体的な取組】


