非住宅木造 【耐火建築物】

今回は、「耐火建築物」の概要についてです。

 

大規模な建築物や不特定または多数の人が利用する建築物では、

火災が発生した場合、人命への危険性や周辺へ被害が広がる

可能性が高くなりますよね。

建築基準法では、このような建築物に対して火災により建築物が倒壊すること

(有事の際の避難時間・避難経路の確保といった意味あいかと思います)がないように

火災に対する防火措置を施さないまま木造等で建設することを制限し、

地域、規模または用途に応じて「耐火建築物」または「準耐火建築物」と

しなければならないと規定されてます。

 

■耐火建築物 (法2条9号の2)とは

耐火建築物とは、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)が耐火構造であるもの

または 耐火性能検証法等により火災が終了するまで耐えられることが確認されたもので

外壁の開口部で延焼のおそれのある部分 に防火設備を有する建築物のことを

いいます。

 

■ 木造による耐火建築物

①主要構造部に木材を使ったメンブレン型耐火構造

木造軸組構法や枠組壁工法では、構造部材をせっこうボード などで防火被覆した

「メンブレン型耐火構造」により国土交通大臣の認定を取得し、

木造耐火建築物が実現しています。

この技術開発によって、特殊建築物や防火地域内の木造共同住宅、4階建て建築物など

これまで木造では建てられなかった建築物が広く建設されるようになりました。

 

②木質ハイブリッド部材

鉄骨を集成材などの木材の厚板で被覆することで

耐火構造としての性能を確保するとともに木の質感を出す木質ハイブリッド 部材が開発され

国土交通大臣の認定を受けています。

 

③被覆型耐火構造 (集成材)による耐火建築物

構造用集成材の柱やはりでは、せっこうボードなどで防火被覆 した耐火構造や部材内部に

燃え止り層を設けた耐火構造が国土交通大臣の認定を受けています。

 

④耐火性能検証法による木造耐火建築物

耐火性能検証法(平成12年建告1433号)により、天井を高くしたり、

大きい空間とすることで、火災時に熱がこもりにくくする対策を講じれば、

梁を木材(小径200mm以上)の現しで用いることも可能です。

 

⑤高度な検証法による木造耐火建築物

大臣認定を受けた高度な検証法による木造耐火建築物では、

大空間の木造ドームなど大型の木造建築物も建築可能です。